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縄文人の防災の知恵と鬼界カルデラ噴火 ~災害の歴史Vol.1

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防災は「正しく恐れ、正しく備える」ことが重要です。


今回は、縄文時代に起こったとされる鬼界カルデラ噴火と、縄文人の防災の知恵に焦点を当てます。

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縄文人の防災の知恵


太古の昔、縄文時代の人々は自然の脅威を深く理解し、自然と共存しながら生活する中で災害への知恵を培っていました。


宮城県大崎平野では、洪水の危険が高い地域を「魔の沼」と呼び、居住地を慎重に選んでいたと伝えられています。


また、同じく宮城県松島湾周辺には70以上の貝塚が見つかっています。


それらは、地図上では海岸近くに見えるものの、実際には標高15〜30メートルの高台に位置し、2011年の東日本大震災でも津波の被害を受けませんでした。


縄文人は狩りや漁、木の実の採集といった自然の恵みで生活していたため、効率よく食べ物を集めるために、海にも山にも行きやすい高台を生活の拠点としていました。


その結果、洪水津波の危険が少ない場所に集落を築き、さらに土器を使って食料を備蓄することで、災害時の生存率を高めていたのです。

鬼界カルデラ噴火


約7300年前、鹿児島県南方約50キロにある海底火山・鬼界カルデラで発生した超巨大噴火は、縄文社会に壊滅的な打撃を与えました。


大量の火砕流が海を越えて九州南部に到達し、南九州一帯の縄文集落を消滅させたと考えられています。


さらに噴煙は遠く東北南部にまで火山灰を降らせ、南九州の照葉樹林は火砕流による高温の影響で600〜900年にわたり回復しなかったとも推定されています。


近年の研究では、噴火に伴って津波も発生したことが確認されており、鹿児島県大隅半島には推定30メートル級の津波が押し寄せた痕跡が残されています。

まとめ


鬼界カルデラ中央の海底には世界最大級の溶岩ドームが存在し、現在も火山性ガスの噴出が観測されています。


地下にはマグマ溜まりも推定されており、今後の活動にも警戒が必要です。


このように、鬼界カルデラのような大規模災害は発生時期を正確に予測することが難しい一方、縄文人の暮らしには現代に通じる防災の知恵が多く見られます。


例えば地形を理解し、災害リスクの高い場所を避けることは、都市計画や住宅選びにおいて重要な視点となりえます。


また、食料や生活必需品を備蓄することは、今日の家庭の防災対策にも直結する考え方です。


過去の災害の歴史と縄文人の知恵を学び取り、私たちの時代の防災に活かしていくことが大切でしょう。


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