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縄文人の防災の知恵と鬼界カルデラの噴火 ~災害の歴史Vol.1

  • k-yuko1
  • 6月2日
  • 読了時間: 2分

更新日:6月2日



縄文人の防災の知恵


太古の昔、縄文時代の人々は自然の脅威を理解し、自然と共存しながら災害への知恵を培っていました。


例えば、宮城県の大崎平野では、洪水のリスクが高い地域を「魔の沼」と呼び、居住地を慎重に選んでいたとされています。


また、同じ宮城県の松島湾周辺には70余りの貝塚があり、それらは地図で見ると海岸線に近い位置に見えますが、実際には標高15~30mの高台にあり、2011年の東日本大震災による津波の被害を受けていません。


狩りや漁、木の実の採集など、自然の恵みで生きた縄文の人々は、効率よく食べ物を集めるために、海にも山にもどちらにも行きやすい高台に定住し、集落をつくったと考えられます。


彼らは地形をよく観察し、洪水津波の危険が少ない場所に集落を築き、さらに土器を用いて食料の備蓄も行うことで、災害時の生存率を高めていたのです。




鬼界カルデラの噴火


約7300年前、鹿児島県南方約50kmの海底に位置する鬼界カルデラで発生した超巨大噴火では、大量の火砕流が海を越えて九州南部に到達し、南九州で栄えていた広範囲の縄文集落を消滅させたと考えられており、縄文文化に壊滅的な打撃を与えました。


さらに噴煙は遠く東北地方南部にまで火山灰を降らし、火砕流による高温の影響により南九州の照葉樹林は600~900年の期間にわたって回復しなかったなど、生態系に大きな打撃を与え環境を変化させました。


また、近年の研究では、鬼界カルデラ噴火に伴い津波が発生した痕跡も確認されており、鹿児島県南東部の大隈半島では推定30mの津波が襲ったとされています。




まとめ


鬼界カルデラ中央海底には世界最大規模の溶岩ドームがあり、現在も火山性ガスの噴出が確認されており、地下にはマグマ溜りが存在すると考えられており、今後の活動にも注意が必要です。


鬼界カルデラ噴火のような大規模災害は、いつ発生するか予測が難しいものですが、縄文人の防災の知恵は現代にも活かせるものが多くあります。


例えば地形を理解し、災害リスクの高い場所を避けることは、都市計画や住宅選びにおいて重要な視点となりえます。


また、食料や生活必需品の備蓄の概念は、現在の防災対策にも通じるものがあります。


防災は「正しく恐れ、正しく備える」ことが重要です。


過去の災害の歴史と縄文人の知恵を学び、現代の防災に役立てていきましょう。

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